季節の野菜を味わう
四季折々の北本産農産物が並ぶ「地場物産館 桜国屋」。季節ごとにイベントを開催しており、季節の移ろいとともに、旬の美味しさを存分に楽しむことができるお店です。市内の飲食店のお惣菜やパンなどの加工品や雑貨も並び、行くたび様々な発見がある人気の施設です。旬の野菜や果物を味わえるカフェ「&greenCAFE」や、北本産蕎麦のお店「さんた亭」も併設されており、毎日多くの人が訪れます。
土日のオープン時には行列ができることも珍しくない「桜国屋」ですが、店内にはその季節だけの新鮮なお野菜が、所狭しに並んでいます。お店と契約している農家やお店は、地元の方を中心に80人以上。毎朝6時過ぎから、沢山の農家がお野菜の納品にやってきます。その様子は市場さながらの光景です。
令和2年のリニューアルオープンからお店を切り盛りしてきたのが、JAさいたまの鳥海店長です。コロナ禍の中、様々な仕掛けを通して農家とお客さんを繋ぎ、地元野菜の魅力を発信し続けています。
農家とお客さんを繋いでいく
鳥海店長はJAで20年以上にわたり、直売所店長や農産物関連の仕事を続けてこられた、地物農産物のプロフェッショナルです。伊奈町や北本市などの直売所で、10年以上店長を務められてきました。毎朝「桜国屋」の店頭に立ち、自らお客さんをお迎えしています。
「大事にしていることはありますか」鳥海店長にお伺いすると「農家さんとのつながり」と教えてくれました。直接生産者のお宅に出向き、作業場や畑を見せてもらいながら、農家さんと様々な話をすると言います。
「野菜って植えてから半年後に品物になるでしょ。作付けのタイミングをずらして欲しいとか、こういう風に作ってくれとか。色々とうるさいことを言うんです。何を作っているとか、行って自分で把握しないとね。もうそろそろニンジン採れるぞ。とかね」売場に並ぶ農産物の偏りや傾向を見ながら、生産者へ直接出向き、仕入れに走り回っているそうです。
自信をもって届けていく
自身の実家も農家だという鳥海さん。その言葉の端々からは、預かった農産物に対する責任が伝わってきます。「持ってきてくれれば、どうにかあちこちに声をかけたりね。今だったらこんな寒いからさ、お昼以降じゃないと採れない。野菜が凍っているからさ。雨が降っても作業は変わってくるし、寒い中で日の出前に収穫する人もいるよ。農家はすごいよ。毎年天候も違うし条件が違う。同じ年は一年もないから、自分も毎年勉強しながらね」
伝わる想い
農産物や天候は日々変化し、同じ売り場は一日もありません。朝6時から日がどっぷりと暮れるまで、鳥海さんは直売所や市内を動き回っています。忙しい時期は、朝から晩まで生産者のお宅を走りまわっていることも。その原動力を聞くと「やっぱり好きなんだろうね。農家さんと野菜や直売がね。これ事務の仕事だったら、嫌になって帰っちゃうよ(笑)」こんな答えが返ってきました。
長年直売の現場に立ち、第一線で農産物の目利きを続ける鳥海さん。日々様々な農産物を扱うその手には、年輪の様な深いしわが刻まれています。「本当に旬の農産物を、多くの人に届けたい」畑を走り回る鳥海店長の情熱は、多くの生産者に共鳴し、売り場に並ぶ“お野菜や果物”を通して、お客さんに伝わっていきます。(2022年12月取材)
//旬を味わう//
地場物産館 桜国屋
〒364-0001 埼玉県北本市深井 7-265-4/定休日:水曜日・年末年始/10:00~17:00/048-544-5321
旬の農産物や季節のイベント情報は「きたもと四季の恵みマルシェ 農産物直売所 桜国屋」からご確認下さい。