検索ワードに着たい服のイメージを入れれば、たくさんの商品がヒットする…さまざまなブランドを扱う通販サイト、ハンドメイドに特化した通販アプリなど、オンラインショッピングの普及により、服の選択肢は格段に広がりました。

こんなにたくさんの選択肢があるのに、なぜだか「こんなのを探してた!」っていう服を見つけるのはなかなか難しいものです。

北本にアトリエをもつ洋裁作家のkatankoton(カタンコトン)さんが洋服をつくり始めたきっかけも、そんな困りごとからでした。

「ミドル世代になって、自分がかわいいと思う服がなかなか売っていないなって思ったんです」

若者向けの服はたくさんの種類がありますが、ライフスタイルが変わり、子育てが始まるとゆっくり買い物に出かける時間も少なくなります。着たい服を探して買うのも一苦労。特にミドル世代になると、着たい服を探すのが大変だったと語ります。

画像提供:katankoton

「年齢を重ねると、リボンやフリルがついた服とは縁遠くなりますよね」年齢にあった落ち着きを持ちつつも、かわいさもある服が着たい。そんな思いから、服飾スキルを活かし、自分が着たい服をつくり始めたそうです。自分で作るのなら、落ち着きとかわいさのバランスも思いのまま。つくった服を着ていると、ママ友から「私にもつくって!」と発注が入るように。次第に製作活動が本格化していきました。

画像提供:katankoton

さりげないかわいさを添えて

katankotonさんが目指すのは、年齢を重ねた女性が着て嬉しく、かつ毎日着られる気取らない服。シルエットも、デザインも、そのコンセプトにつながる重要な要素です。どんな人でも「らしく」着られるように、シルエットには余裕を持たせ、ゆったりとしたつくりになっています。また、シンプルながらも襟元や袖口にかわいらしい装飾が施されているのも、デザインのポイント。

こちらのセットアップも、全体的に落ち着いた印象でありながら、襟元にはパイピングとリボンをあしらい、さりげないかわいさがアクセントになっています。

つくる服は、着たい服

基本的な服のデザインは華美になりすぎないシンプルなもの。あまりデザインは変えず、生地や色で季節感などの変化をつけているそうです。自分が着たいものをつくるという思いが一番根底にあるというkatankotonさん。「グリーンが好きな時期はグリーン系の服をたくさんつくりますし、ピンクブームがきたらピンクの服をたくさんつくります」その時に着たい色、シルエットが洋服づくりに反映されていきます。

好きな服が着たいのに着たい服が見つからない、そんな洋服難民の方や、特に40-50代の同世代の女性に向けた服作りを意識されているとのこと。katankotonさんのこうした思いに共感して、40-50代のリピーターが多いそう。一方で、購入者は10代-70代までと、幅広い年代の方に着ていただいているそうです。中には親子で身に着けてくださる方もいるのだとか。どんな年代だろうと、自分が着たい服を身に着けられる喜びは変わらないものですね。

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