五味農園の育てる原木椎茸

北本市二ツ家の中山道沿いに五味農園はあります。農園では年間を通して露地野菜やキウイフルーツなどを栽培しており、秋と春にかけて特に人気なのが、原木で育てる貴重な椎茸です。その栽培方法やこだわりについて、農園を切り盛りする五味秀明さんにお聞きしました。

原木椎茸と菌床椎茸の違い

「原木椎茸」とは、クヌギなどの木材に椎茸の菌を打ちこみ、天然とほぼ同じ環境で椎茸を育てる栽培方法です。椎茸の菌を打ちこんだ木は、そのまま雑木林や日陰などで管理を行います。売り物となる立派な椎茸が収穫できるのは、菌を仕込んでから2年以上先となります。

一方、通常スーパーなどで売られている椎茸は「菌床栽培」と呼ばれています。おがくず等をブレンドした培地に、椎茸菌を植えて栽培する方法です。原木栽培よりも大量に安定した栽培が可能なため、一般的に多く流通している椎茸栽培方法です。

もちろん栽培方法はそれぞれの農家で千差万別のため、味については一概には言えませんが、一般的には原木栽培の方が、椎茸自体が肉厚で歯ごたえがあり「味・香り・食感」共に秀でていると言われています。

原木椎茸にかかる手間と時間

お値段も原木椎茸の方が高価な場合が一般的です。それは手間や収穫までの時間が、菌床栽培に比べて多く必要だからという点も関係しています。その行程は多岐にわたります。まず原木の手配・選定から始まり、場所の確保・原木のコンディション管理・菌の打ち込み・その後数年をかけた管理を経て、肉厚で最高の椎茸が収穫できます。この間の管理方法を間違えると、味や収穫量に影響してしまうのも難しいポイントです。

最高の原木椎茸は良質なほだ木から

原木椎茸の栽培では、菌を仕込む「ほだ木」の選定も重要です。五味農園では「クヌギ」の木が使われています。クヌギの木は桜などに比べて木が固く、椎茸の菌が繁殖するのに最適な樹種です。「この良質な原木自体を、そもそも手にいれるのがとても難しいんですよ」と秀明さん。農園でも良質なクヌギの原木を探し求め、知り合いや森林組合経由で運よく現在の原木と出会うことが出来たそうです。「私もチェーンソーを持って、山の中に入って切り出してきました」秀明さんは、苦労して原木を手に入れた時のエピソードを教えてくれました。

忘れられない味

秀明さんが原木栽培にこだわるのは、幼少期の経験にあります。「私が子供のころの話ですが、親父とお袋が原木椎茸をやっていました。昔はどこの農家も自宅用に椎茸をつくっていましたから。その時に食べた椎茸の味が、今でも忘れられないんです。本当にうまかった」昔ながらの自然栽培にこだわる農園の原木椎茸には、じっくりと時間をかけた旨味が凝縮されています。

「美味しいものに目が無くて」と話す秀明さん。こだわりの椎茸やキウイフルーツを求め、多くの常連さんが自宅の直売所に訪れます。椎茸は贈り物として発送される方もいらっしゃるそうです。

農産物へのこだわりだけでなく、来て下さるお客さんとのつながりを大事にしていきたいと話す秀明さん。その想いを最後にお聞きしました。「私は自分が食べたいと思う野菜や果物をつくっています。多くの方が直売に来て下さり、少なからずその気持ちが伝わっているかなって。そのつながりが嬉しいんです」

お客さんとの対話を通して、日々こだわりの野菜や果物を育てる秀明さん。秀明さんに会いに、今日も常連さんが足を運びます。

五味農園 直売所

住所:北本市二ツ家1-115(有人)/南部公民館通りに無人直売所有

営業期間:
4月頃:たけのこ、原木椎茸(春子)
6月から9月:にんにく、ゴーヤ
5月から8月:ブルーベリー(6月から摘み取り体験あり)
10月から12月:キウイフルーツ(黄色・緑)、原木椎茸(秋子)
11月から3月:ヤーコン
11月から12月:ほうれん草、カリフラワー

営業時間:不定
定休日:不定