2023年10月22日日曜日に開催されたイベント『&greenツアー いとうふぁーむでさつまいも収穫のお手伝い』。当日の様子や参加や皆さんの様子をイベントレポートとしてお届けします。いとうふぁーむでのサツマイモ収穫は毎年多くの方が参加される大人気のイベントです。2023年の開催では、北本市社会福祉協議会さんと連携し、ケアの面から市内で開催されているイベントに中々参加が難しい方や、様々なバリアをお持ちの方を中心に収穫体験を開催しました。

さつまいもと雑木林

北本の市街地には、まだ数多くの雑木林が残っています。それらの雑木林は、約30年前から「北本雑木林の会」が保全活動を行ってきたことで、現在では子供たちの遊び場となるなど、様々な利活用が行われています。武蔵野の面影を残す雑木林。元々は農家にとっての裏山であり、落葉を腐葉土にしたり、薪を焚き木として使うなど、農家の暮らしと密接な関係にありました。今回のツアーでお邪魔するのは、それらの雑木林を現在もお持ちであり、さつまいもや年間を通してたくさんの野菜を栽培されている「いとうふぁーむ」です。

19代続く農家でさつまいも収穫をお手伝い

「いとうふぁーむ」は19代続く老舗農家。地域に根差したこだわりのさつまいもづくりを実践されています。北本市では、古くからさつまいも栽培が盛んであったこともあり、今回は&greenツアーとして「いとうふぁーむ」で、さつまいも収穫のお手伝いを体験しました。

北本ブランド認定 いとうふぁーむの紅はるか

ふかふかの畑に眠る『紅はるか』

気持ちのいい秋晴れの中、サツマイモ畑に約15名の参加者が集まりました。

畑に入ってみると、土が驚くほどふかふかで靴が沈み込むほどです。いとうふぁーむでは、元々雑木林であった場所を開墾しサツマイモを栽培しています。長年にわたり落ち葉がたまった栄養たっぷりの土が美味しいさつまいもを育てます。また、薬にできるだけ頼らずに、安心安全なサツマイモをつくる為、数年に一度の頻度で、数メートル下の土と表面の土を重機を使って入れ替える『天地返し』を行っています。

農園の伊藤博之さんから、畑や栽培についてのレクチャーが終わると、早速サツマイモ堀りに取り掛かります。「まずはそのままで掘ってみて下さい。畑から出ている茎の周りから掘り進めると、きれいに房のまま掘れますよ」と伊藤さん。参加者はふかふかの土に驚きながら、続々と手で掘り進めていきます。「皮がとっても薄いので、掘れたら丁寧にカゴに入れてくださいね」見たことが無いような大きなお芋に歓声があがります。

トラクターで収穫体験

手掘り体験をたっぷり体験した後は、トラクターを使った収穫を皆で体験します。トラクターの後ろに土の中に食い込むような専用のアタッチメントを取り付け、ゆっくりと進みながらサツマイモを掘っていきます。トラクター後部の爪がサツマイモを掘り出し、出てきた芋を房ごとコンテナに入れていきます。参加者はトラクターの後ろについて、丸々太った房ごとのサツマイモが土から顔を出すと、すかさずコンテナに移していきます。子供たちは、初めて見るトラクターに興味津々です。運転席に座らせてもらうと、緊張しながらもハンドルを握る子供たちの姿が印象的でした。

 

おいしさの鍵は栽培・熟成方法にあり

サツマイモ掘りが終わると、畑から数分の場所にある伊藤さんのお宅で苗をつくる様子を見学します。

サツマイモ栽培は、落葉堆肥づくりから始まります。3月ごろ、踏み固めた落葉の上に、前年畑で採れた、出来のいいさつまいもを並べ、上からシートをかけて雨が入らない様にすると、さつまいものベッドが完成。落葉は微生物により発酵して、徐々に堆肥になるのですが、その過程で熱を発生することで(50度以上になることも)、さつまいもは安定して芽を生やします。5月ごろになると育った芽を苗として差します。イベントでは、耳の聞こえない方も参加されていたため、北本市社会福祉協議会の小倉さんがその都度手話通訳として、説明に参加して下さいました。

最後に見学したのは貯蔵庫です。伊藤さんが、さつまいもを熟成させている保管庫は「室」(ムロ)という土中の洞穴で、畑の側に2mほどの穴が開いています。深さ約2m、入り口となる縦穴の先には、L字に伸びた横穴が掘ってあり、その長さはそれぞれ約8mほど。温度は年間を通して一定で湿気も適度にある、天然の貯蔵庫なのです。いとうふぁーむでは、11月に収穫した最後の「紅はるか」から順番に、土付きで房のまま室に収めていきます。最後に収穫した芋も長期間熟成することで、焼き芋に最適なねっとりした熟成芋に変わります。イベントでは特別に室に入らせて頂きました。

ムロ見学の後、いとうふぁーむの紅はるかとお野菜がたっぷり使われた賄いご飯を皆で食べ、イベントは終了となりました。

『いとうふぁーむの熟成紅はるか~昔ながらのやり方で守る味わい深いさつまいもの秘密とは~』

賄いご飯の前には、サツマイモ畑でヨガ講師ハピヨガさんによる、特別ヨガ体験も開催されました。

焼き芋が大人気の直売所

いとうふぁーむでは、北本郵便局の近く、住宅とお店が並ぶ通りの一角に野菜と焼き芋の直売所を運営しています。10坪ほどの店内には、畑で採れた新鮮な野菜が並びます。その数は、なんと年間120種類ほど。肥料には落葉堆肥を使い、農薬や化学肥料は極力使わず、お米についても、埼玉県の「特別栽培米」認証(減農薬栽培)をかなり早い時期から取得しています。

直売所で冬のシーズンに大人気なのが紅はるかの焼き芋です。じっくり焼かれたねっとりしっとりな焼き芋を求めて、遠方からも常連客が足繁く通います。

直売所の情報は、下記のインスタグラムからご確認下さい。伊藤さんの想いも一緒に、ぜひご家庭で『紅はるか』をお楽しみください。

▼ふるさと納税 商品ページへ
天然のムロ貯蔵熟成 蜜あふれる 紅はるか

▼いとうふぁーむ(Instagram)
https://www.instagram.com/110farm/

■いとうふぁーむ直売所

OPEN:火・水・金・土(8.9月は火曜土曜のみの営業)
CLOSE:日・月・木
時間:13:00〜日没