きたもとスコープ
スコープ( SCOPE)とは 光学機器の名称で望遠鏡(テレスコープ)、顕微鏡(マイクロスコープ)、潜望鏡(ペリスコープ)、などの種類があります 。
今年度のきたもとスコープでは、「みどりと広報部」に参加する人々へのインタビュー記事を連載します。同じ北本に集っていても、人が違えばみえている 景色 も違うはず。記事を通してその人の視点からきたもとの暮らしをのぞき見る。そんな 連載 です。
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今回は北本市出身・在住で、パン屋でお仕事をされている田端さんにお話を伺いました。一時期はお仕事で都内に引っ越された田端さん。北本に戻ってきたきっかけや、現在の暮らし、最近チャレンジしていることについてお話を聞きました。
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―はじめに、みどりと広報部に参加したきっかけを教えてください。
きっかけはインスタグラムで募集の投稿を見たことです。元々デザイナーだったので、見た目の印象が気になったんです。北本でもおしゃれな、今っぽい雰囲気の活動をやってるんだなって思いましたね。何だろうって検索したら、ちょうどメンバーの募集をしていて。私は時間的に余裕があるし、ちょっと興味あったので応募してみました。暮らしの編集室が手掛けている北本団地の活動のことも知っていたので、何かそういう情報を得られるんじゃないかっていう、淡い欲みたいなものがモチベーションです(笑)。
―インスタグラムの投稿がきっかけなんですね。何か北本のイベントを調べていたりもしたんですか?
私は北本出身だけど、一時期仕事の関係で離れていたんです。コロナのタイミングで帰ってきたんですけど、戻ってきてからは割と時間があるから、北本ってどういうイベントがあるのか調べはじめて。友達に誘われていろいろイベントに行ったりしたんですけど、市役所の前のマーケットとかはそんなに知らなくて。だからそういう情報も得られたらいいなって。
―ご出身が北本なんですね。
そうです。25歳ぐらいで北本を出て、35歳くらいで戻ってきたので、10年間ぐらい離れていました。離れているうちに、北本がすごいいろいろ変わってたっていう(笑)。
―「いろいろ変わっていた」というのは、具体的にどういうところですか?
北本を離れる前は、 北本ってどういうまち?って聞かれても答えられないっていう感じだったんですけど、今ならいろいろあるよって言えるというか。それは歳を重ねたから、いろいろな活動に目が向いているのかもしれないけど。今は自分が育ったところだけど、知らないことがいっぱいあるんだなって思います。それと、コロナの影響は大きいですね。友達と遊ぶにしても、あんまり遠くじゃないところでってなると、今いる場所で何やってんだろうとか、何ができるんだろうって気になりますよね。調べてみるとパン屋さんもできてるし、いろいろご飯屋さんも増えていたり。桶川ですけどメキシコ料理屋さんもあったりとか。意外と近場に色々あってびっくりしましたね。
―北本に戻ってきたきっかけはなんだったんでしょうか。
デザイナーとして会社で働いていたんですけど、コロナもあったし、自分の体調的にも結構厳しくて。もともと長く続けるのは難しいと思っていたんですけど、コロナのタイミングで辞めることにしました。あとは、実家で飼ってる犬の存在も、帰ってくる理由のひとつです。その子がもう結構高齢で、19歳なんですよ。私が飼いたいって言って飼い始めたのに、全然面倒をみれてなかったんです。だから、最後くらいは看取りたいって。それで帰ってきて、今はパン屋で働きながら犬の面倒をみています。
―もともとパン作りがお好きだったんですか?
もともとお菓子作りが好きだったんですけど、北本に帰ってきたタイミングで、家にたまたまホームベーカリーがあったので、それがきっかけでパン作りを始めました。パンをこねるのが楽しいし、生地に触るのが癒しになっていたというか。今まではデザイナーでハードなものをずっと触ってきたから、パンの生地みたいな自然でふわふわ柔らかいものに触るのが癒しだし、しかも美味しいし。そこでめちゃめちゃハマって、パンを作っては食べてましたね。ちょっと前までは自分で酵母からつくってパンを作ってたけど、最近はあんまり作れてないですね。
田端さんがつくったパンたち
―そうなんですね。パン作りをしたい気持ちもありつつも、やっぱり今は犬との時間を大切にしたい、と。
うん、そうですね。 第1は犬を大事にしたい。もうちょっと働くのを減らしたいぐらいです。犬はいまほぼ自力で歩けないくらいで、本当はずっと見てなきゃいけないんだけど、私が働いてるあいだは親に面倒見てもらっていて。
―20年近く一緒に生きてるんですもんね。
そう考えるとすごいですよね。今は実家の周りしか散歩できないけど、昔は散歩で行くコースとかもね、もう遠いとこまで行ってたんです。それを思い出して、昔はこんなところまで散歩で来てたんだな、あのころは元気だったんだなってしみじみしたり。
本当いろんなところに散歩に行きました。だから、散歩で北本のことを知ることもあったかな。なんかこの雰囲気好きだなとか、この道好きだなとか。
―思い出の散歩道はあるんですか?
よく小学校のときを思い出す匂いがあって、その匂いって何だろうって考えると、散歩で通ってた道の匂いだってわかったんです。北本団地から桶川の方に行くところに、 ダイソーとか、ローソンがあるじゃないですか。あのあたりに、麦茶の工場みたいな場所があって。いつもそこからすごい香ばしい香りがフワーッてなってるんです(笑)。小学校で遊んでいるときに、その香りをふと思い出すことがあったんですよね。思い出の香りというか。