8月31日、2024年度マーケットの学校キックオフミーティングが開かれました。

マーケットの学校とは?

マーケットとは、仮設のお店が集まり日用品や食べ物の売買が行われる、誰でもふらっと立ち寄ることができる場のことです。北本では、奇数月に市役所芝生広場で「&green market」が、偶数月には北本団地商店街で「団地マーケット」などが開催されています。飲食物や物販の販売だけでなく、弾き語りや作品の展示、こどもが店主になるこどもマーケットも開催されるなど、やってみたい気持ちの背中を押す場としても機能しています。

マーケットの学校では、市役所芝生広場で開催している「&green market」を実践の場とし、対話と実践を往還することで、北本でのマーケットの在り方や暮らしの楽しみ方について考えていくプログラムです。

 

キックオフミーティング

5年目となるマーケットの学校には、15名ほどの参加者が集まりました。

「&green market」に出店、お手伝いをしている常連さんから、初参加の方まで、参加者とマーケットの関わりはさまざま。また北本市内からの参加者のほかに、近隣の鴻巣市、上尾市をはじめ、さいたま市、日高市など県内の市町から参加が集いました。

キックオフの会場は市役所1階のホール。ガラス張りの室内からは、「&green market」の会場である芝生広場が見渡せます。キックオフミーティングの時間にも、芝生広場には親子連れがちらほら。芝生で遊ぶ親子を横目に、ミーティングが始まりました。

キックオフミーティングでは、マーケットの学校を運営する北本市役所市長公室シティプロモーション担当と、合同会社暮らしの編集室、それぞれの活動についての紹介のあと、今年度の活動テーマについての説明がありました。

今年度のテーマは「公共の場について考える」です。「&green market」を開催している芝生広場は市役所の一部であり、管理は市役所が行っています。管理という言葉のなかには、場の利用規制を行うだけでなく、場の活用を考えることも含まれているはず。管理する側だけでなく、利用する側も混ざって、ともに自由な場として公共空間の利活用について考えていきます。近年管理規制が厳しくなりつつある公共の場を、市民が自らの利活用を考え参加できる場として捉え直すレッスンとも言えるかもしれません。

ミーティングの後半は、グループワークを行いました。参加者は5名ずつほど、3つのグループに分かれ、芝生広場でどんなことをしたいかアイデアを出し合います。

「子どもとお年寄りが楽しめるマーケットをつくりたい」「紙飛行機大会や昭和の遊びを地域のお年寄りが子供に教えるコーナーがあるといい」「読み聞かせや料理スペースを設けて、マーケットが出会いの場としても機能したらいいのでは」「休日だけでなく平日開催したり、昼と夜両方開催してみるのはどうか」「物々交換など、お金を介さないスペースを作ってみたい」など想像がたくさん膨らみました。

マーケットで立ち上がる空間を、単に売る―買うという関係を生むだけでなく、地域のつながりや出会い、金銭だけでないやり取りが生まれる場として期待する参加者が多かったのが印象的でした。5年の定期開催を経て、マーケットが本来の仮設的な売買の場という役割を越え、コミュニティのツールとして捉えられるようになってきたのかもしれません。