市民ライター 塚田愛

【前編】みんなを生きやすくするしくみ『社会福祉協議会』と『手話べりかふぇ』

北本駅から駅前通りを高尾氷川神社までまっすぐ進んでいくと、右手側にまっしろで大きな建物が見えてきます。それが今回インタビューした社会福祉協議会の建物、北本市総合福祉センターです。

北本に住んでいてもこの建物が何の建物なのか、そして社会福祉協議会(以下社協)の存在を知らない人 も多いと思います。何を隠そう、筆者も今回インタビューした小倉明美さんと出会うまで、社協の 存在を認識してもいなかった一人です。

今回は手話通訳者であり、社協で働く小倉明美さんへのインタビューを通して、謎多き社会福祉協議会を、少しでも身近に感じてもらえたらと思います。

社会福祉協議会ってなに?

社会福祉協議会とは、社会福祉法の規定に基づき、すべての都道府県に設置されている組織です。やっていることは福祉全般、人々が幸せになることに力添えすること、困っている人の手助けすること。地域住人や、ボランティア、福祉関係者(ヘルパーや、手話通訳者)、行政からなる、 自主性と公共性を併せ持つ『非営利団体』になります。

子どもから大人、お年寄り、障がいを持っている方まで、人々の悩みや困りごとは多種多様。人々、 それぞれの“困った”を、住民の皆さんと共に考え問題を解決していくのが社会福祉協議会です。

社協の不思議

社協は『社会福祉法人』という、儲かってはいけない、お金があっても運用などして大きくできない 組織です。

では、活動のためのお金はどうしているかというと、市民や市内の会社さんに会員になってもらい会費を集めたものや、市や国からのお金、そして寄付からなっています。時には支部長さんが地域内の企業を徒歩で訪ねて回り、募金を集めることもあるのだとか。

会員の方たちは直接的な便益はないのに、どうして会費を払ったりボランティア活動に従事されるのでしょうか。疑問に思い質問をしてみ ました。

「自分たちの住む地域に還元されるものだから、皆さん払ってくれるのだと思い ます」と、小倉さんは答えてくださいました。

自分たちの住む地域の人々の暮らしを、みんなでお金を出し合って 支える。まるで暮らしや町を良くするためのクラウドファンディング、なるほど、と思いました。

とは言え、若い世代を始めとする『福祉』にあまり縁のない人達は、社協にも興味を持てない人が多いのではないでしょうか。

小倉さんは「身近な所で高齢者のご夫婦のどちらかが亡くなったとか、たとえば認知症になった等、“何か”がおきないと福祉の必要性を感じないんです」と話してくださいました。

いつもは気づかないけれど、何かあった時初めて存在を知る、社協。しかし、お年寄りや障がい者の 人以外にも、今暮らしに問題を抱えている人(ヤングケアラーやコロナ禍での困窮など)はぜひ社協を 訪ねてみてください。

一人で、家族だけで、抱え込まず、相談してみて下さい。きっと違った道が見えてくるはずです。 他にも色々な相談に乗ってくれますので、インターネットサイトなども覗いて見てくださいね。

福祉と聞くとお年寄りのイメージが強いと思います。しかし子どもから大人、お年寄りそして障がいを持った方、皆が生きやすく、暮らしやすくするためにみんなで支える仕組み。それが社会福祉協議会なのです。そして、地域に暮らす私たちに関係のないものではなく、身近な地域を、そして自分を支えてくれる仕組みでもあるのです。

後半は、手話通訳としての仕事を通して、聴覚障がいを持った人と健常者がより楽しく関わっていけるように『手話べりかふぇ』をはじめた小倉さんの活動を、紹介していこうと思います。

北本市社会福祉協議会

https://www.kita-sha.jp/

北本市社会福祉協議会Facebook

https://m.facebook.com/kitamoto.shakyo.saitama/