きたもとスコープ
スコープ( SCOPE)とは 光学機器の名称で望遠鏡(テレスコープ)、顕微鏡(マイクロスコープ)、潜望鏡(ペリスコープ)、などの種類があります 。
今年度のきたもとスコープでは、「みどりと広報部」に参加する人々へのインタビュー記事を連載します。同じ北本に集っていても、人が違えばみえている 景色 も違うはず。記事を通してその人の視点からきたもとの暮らしをのぞき見る。そんな 連載 です。
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今回は北本市出身・在住の池上さんにお話を伺いました。
一時期はお仕事で都内に引っ越された池上さん。北本に戻ってきた経緯や、最近の時間の過ごし方、みどりと広報部の活動についてお話を聞きました。
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―はじめに、みどりと広報部に参加したきっかけを教えてください。
少し前に仕事をやめて、北本に戻ってくる機会があったんです。せっかく地元に戻ってきたんだから、新しい生き方というか、自分のやりたいこととか見つけられたらいいなって思っていたんです。そのときに広報部の募集をみつけて。北本市を盛り上げようとかは、正直なかったんですけど、何かやりたいことが見つかるかもしれない、参考になるかも知れないと思って参加しました。北本市には、自分のやりたいことをやってる人たち、自分の夢を叶えようと行動してる人たち、夢を叶えて地域に根付いた活動をしている人たちが、たくさんいると思うんです。そういう人たちが、自分としてはうらやましいというか、すごいなと思っていて。そういう人たちの活動を見て、自分のやりたいこと、生き方とかの参考にできればいいなという思いがありましたね。
―北本に戻ってくることになったのは、予想外のことだったんでしょうか?
そうなんです。話がちょっと長くなっちゃうんですけど、つらい出来事が二つありました。僕は元々理学療法士として働いていたんですけど、そこで激務に追われてしまって。仕事が忙しくなって、気を遣うことも増えていって、その中でだんだんと仕事に対しての情熱というか、やる気が失われていってしまったんです。最終的には心が壊れてしまったような状態で、自分の限界がきちゃったんです。そこで休職した、というのが出来事の一つです。
心身を休ませつつ、これからどうやって生きていけばいいんだろうと悩んだんですよ。そこで模索している時、たまたまあるブログに出会いました。そのブロガーさんはいわゆるミニマリストの人で、質素かつ少ないお金で楽しく暮らすというコンセプトでブログをやっていました。そのブロガーさん自身も会社員という働き方に疲れてしまったという背景を持っていて、自分と一緒だと思って、その人の考え方や暮らし方にすごく共感しました。そこから、この人のような生き方をしたいなって思って、お金と暮らしを整えました。とはいえ、生活のためにお金が必要なので、3年だけ働いて必死にお金を貯める時期をつくりました。3年が経過したころ、ちょうど去年なんですけど、仕事を辞めました。
ここで二つ目の辛い出来事がありました。同棲している彼女がいたんですけど、そのタイミングでお別れすることになってしまったんです。同棲も解消したので、家を探さないといけなくなってしまって。地元の友達と話していたら、「じゃあこっち戻ってくればいいじゃん」って言ってくれて。それで北本で部屋を探して、今に至ります。
―なかなか壮絶ですね…!
なかなかしんどかったです。色々あったので、気持ちが落ちちゃっていたんですけど、北本に戻ってきて友達と遊んだりしつつ、広報部にも参加して、という経緯ですね。
―久しぶりに戻ってきて、北本の印象はどうですか?
そうですね、地元なのでそこまで変わってないかなと思ってたんですけど、散歩していると個人商店が増えてきたのかなっていう印象と、この広報部に参加してからは、&green marketに参加したり、地域活動が自分がいたときよりも活発になってきている印象を受けました。以前住んでいたころは、イベントの記憶があんまりなくて。 田舎ではあるけど、必要なものは揃ってるし、都会っていうわけでもなく、静かな空気が流れている。でもその中でも、イベントとか地域との繋がりもある。そんな印象ですね。
―個人店と言えば、みどりと広報部でBISTRO Aka.neco. (ビストロ アカネコ)さんに取材に行っていましたよね。いかがでしたか?
もともと知っている方だったんですが、どういうふうにどんな料理をしてるのかまでは知らなかったんです。でも今回実際お店に行ってみて、料理人としてのこだわりを目の当たりにして、今まで見ていた人となりとはちょっと違うんだなと思いました。
BISTRO Aka.neco.の外観
―美味しいのはもちろんですが、料理や素材のこだわりがすごいですよね。
やっぱりすごいなって思いますね。鹿肉もちゃんとした認証をとっているところから取り寄せたり、牡蛎も産地にこだわっていたり。
―お話を聞いていていると、いろいろな人の生き方を知りたいというのが、モチベーションになっているのだと思いました。
そうでしたね。自分自身の生き方を見つけたい、参考にしたいなという思いが強いです。みどりと広報部のフィールドワークなどで出逢う方々も、自分のやりたいことをやっている人たちがたくさんいます。取材に伺ったBISTRO Aka.neco. さんも、料理が好きで、いろんなところで修行して、それで自分でお店を持ったという、夢を叶えてる人ですよね。そういう人たちはすごいなって思うし、広報部の活動を通して、そういう人たちの生き方をたくさん目の当たりにできるのはいいなと思います。