きたもとスコープ

スコープ SCOPE。光学機器の名称。望遠鏡(テレスコープ)顕微鏡(マイクロスコープ)潜望鏡(ペリスコープ)銃の光学照準器などがある 。きたもとスコープでは「きたもとまちびらきプロジェクト」に参加する人々へのインタビューを連載します。同じ北本に集っていても、人が違えばみえている景色も違うはず。インタビューを通してその人の視点からきたもとの暮らしをのぞき見る。そんな連載です。

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2022 年 12 月 10 日(日)
北本まちびらきプロジェクト、「自然と休日」グループでフィールドワークを行いました。その様子をレポートします。グループメンバーは北本の自然に関心を持っている人が多かったため、フィールドワーク実施場所には北本自然観察公園と緑のトラスト保全第 8 号地(高尾宮岡景観地 》が選ばれました。

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9:30 自然観察公園集合
この日のナビゲイターは、物腰がやわらかく学者のような雰囲気を纏ったおじさま『磯野』さん。磯野さんは北本市役所、市長公室に勤める公務員で、北本の生き物、自然環境、歴史や成り立ちにとても詳しい 方だ。しばらくして、もう一人のナビゲイターおうたろうくんも合流。野鳥好きのおうたろうくんは、カメラを首から下げ手には野鳥図鑑とやる気満々のいでたちだった。磯野さんがつくってくださった資料を片手に早速バードウォッチングを開始。「鳥をみつけるためには耳が7割、目が 3割です。鳴き声や樹々の動き、揺れなどによく注意するところからはじめます」と磯野さんからアドバイスをいただく。

歩きながらじっと耳を澄ましてみる。葉や枝がこすれる音に交じっていろんな鳥の声が聞こえてくる。私にはカラスくらいしか判別できないが、磯野さんは「この声はあの鳥ですね」と鳴き声だけで鳥の種類を識別していた。一方のおうたろうくんも引けをとらない。視界に入った鳥に瞬時にフォーカスを合わせ、シャッターをきる。目視した鳥のシルエットや大きさで大体の予想を付け、撮れた写真をクローズアップして何の鳥だったのか確認しているようだった。それにしても反応速度がえげつない。誰かとおしゃべりしている途中でも、視界のすみに鳥を捉えたらサッとカメラを構え、シャッターをきっていた。

磯野さんもこれまで撮りためた鳥の写真が沢山あるようで、おうたろうくんと互いの写真を見せあいながら「僕はこんなの撮った」「僕はこの鳥を撮った」と語り合う姿が印象 的 だった。年齢的に 2 人はおじいちゃんと孫くらいの歳の差があるが、「鳥」という共通の関心を語らう姿はまるで少年が 2 人肩を並べているようでほほえましかった。

記事は《高尾宮岡景観地編》へと続きます。